2014/10/22

犬に宵闇がせまる

深い闇が犬にせまっている。
久しぶりに、夜の散歩になった。
秋が深まり、日が短くなったのだ。
その分、宵闇の訪れが早い。
時の過ぎるのも速い。

そのことに、犬は闇のなかで気づいたのか。

闇夜の到来に呆然とする犬。
散歩の途上で、呆然と立ち尽くす犬。
いや、座り尽くす・・・・・。

宵闇がリリーにせまる。
「己の時を計れ」とでも言うふうに。
って、何のこっちゃ。

リリーに時間の感覚はない・・・・。
あるのは、周囲の空間の変化。
自ら移動する空間と、光が移動する空間と。
その変化の機微が、犬にはわかる。

哲学犬リリー。
あんたは、ベルクソンか。
などと闇と戯れ。
秋の宵闇が犬にせまる。
茫然自失。
あっ、光が・・・・・。