2014/10/21

家の中と外では、ちょっと顔つきが違う犬

玄関で散歩へ出かけるのを待っている犬。早くせいよ、という目付き。
リリーは、家の中にいる時と外では、ちょっと顔つきが違う。
どこがどう違うのかと問われても、定かではないような。
微妙な違いがある。
その微妙な違いが、散歩に出かけるときになると、ややはっきりしてくる。

本当に散歩?という疑惑の眼差し。
入口のドアを1枚隔てて、内側にいるときと外へ出たとき。
その違いが、少し出てくるのだ。

ドア1枚隔てても、まだ家の内にいるときは、顔の表情に猜疑心がにじみ出ている。
この男は何をしようとしているのだろう?とでも言うような観察的目付き。
本当に散歩に出かけるのか?という疑念。

というのは、外へ出ることイコール散歩ではないからだ。
私が仕事へ出かけるとき、よくリリーを外の小屋につないでから出かけることが何度もある。
そのことを、リリーはよく知っている。
草の上に座り込んで一服。
近くの公園まで連れて行くと、リリーはこれが散歩であることを確信する。
ほっと安堵の表情になる。
急に口角を上げて、嬉しい顔になる。

が、今日はちょっと違う。
妙に落ち着いた顔つき。
ゆっくりとあたりの変化をうかがっているような・・・・。

秋の物思いなのか。
遠くを眺める眼差し。
リリーは、外出のとき、鼻先をクンクンさせて周囲の情報を収集するのだが。
今日は視線を放って、周囲の何かを見届けているようだ。

季節の移ろいが、犬の情緒に、どんな影響を与えているのだろう。

なんてことを考えてしまうほど。
家の中と外では、ちょっと顔つきが違う。

季節によっても、違ってくる。
その変化が、犬とつきあう面白さなのだろう。
静かな落ち着いた表情。
遠くを見る眼差し。