玄関で散歩へ出かけるのを待っている犬。早くせいよ、という目付き。 |
どこがどう違うのかと問われても、定かではないような。
微妙な違いがある。
その微妙な違いが、散歩に出かけるときになると、ややはっきりしてくる。
本当に散歩?という疑惑の眼差し。 |
その違いが、少し出てくるのだ。
ドア1枚隔てても、まだ家の内にいるときは、顔の表情に猜疑心がにじみ出ている。
この男は何をしようとしているのだろう?とでも言うような観察的目付き。
本当に散歩に出かけるのか?という疑念。
というのは、外へ出ることイコール散歩ではないからだ。
私が仕事へ出かけるとき、よくリリーを外の小屋につないでから出かけることが何度もある。
そのことを、リリーはよく知っている。
草の上に座り込んで一服。 |
ほっと安堵の表情になる。
急に口角を上げて、嬉しい顔になる。
が、今日はちょっと違う。
妙に落ち着いた顔つき。
ゆっくりとあたりの変化をうかがっているような・・・・。
秋の物思いなのか。
遠くを眺める眼差し。
リリーは、外出のとき、鼻先をクンクンさせて周囲の情報を収集するのだが。
今日は視線を放って、周囲の何かを見届けているようだ。
季節の移ろいが、犬の情緒に、どんな影響を与えているのだろう。
なんてことを考えてしまうほど。
家の中と外では、ちょっと顔つきが違う。
季節によっても、違ってくる。
その変化が、犬とつきあう面白さなのだろう。
静かな落ち着いた表情。 |
遠くを見る眼差し。 |