リリーは山を歩くのが大好きである。
もちろん、リリーの飼主も山歩きが趣味。
この写真は、先々週の日曜日、ちょっとしたピークに向かって延びている踏み跡を歩いたときのもの。
この踏み跡は正式な登山道では無い。
タケノコ採り達が、繰り返し歩く事によって出来た踏み跡なのだ。
ですから、タケノコのシーズンが過ぎた今、この道を通る人はいない。
リリーの絶好の散歩道となっている。
リリーは人の後ろを歩くのが嫌いらしい。
道があるといつも先へ先へと進む。
本当は人の後ろを歩くように躾けないといけないのだろうが、飼主にそんな才覚は無い。
道の無いところを歩く薮漕ぎになると、リリーは私の後ろにぴったりと付いて歩く。
薮の中では、ラインが読めないからだろう。
道のある山でリリーが先に進むのは、飼主もたぶんこのラインで進むのだろうと予見しているような気がする。
飼主の体の向きと道と言うラインを照らし合わせて、リリーはそう感じるのでしょう。
到達した草原でくつろぐリリー。
リリーにとって至福の時だ。
草原には貴重な山岳植物もあるのだから、歩き回って荒らしてはいけないのだよ。
家に帰ったら風呂場でリリーは全身丸洗いだ。
丹念にシャンプーして洗っても、どこかに山のダニが隠れていて、一二ヶ所血を吸われてしまう。
ダニに食われた後が癒えぬ間に、また山へと出かけるので、リリーの体には小さな傷跡が点在している。