残雪際の土の上で平然と座り込み。 |
穏やかで気分の良い朝である。
好天のせいでリリーの足取りも軽やかだったが、公園の山の上で、その軽やかな足取りもピタリと止んだ。
写真のように、座り込んで遠くを見つめたまま動こうとしない。
おそらくリリーは、公園の奥の残雪の上で遊びたいのだろうが、私はその場所に入りたく無い。
そこで公園から出て、舗装道路の上を散歩させようと引っ張ったが、リリーは動かない。
この頃、頑固な自己主張が増えた。
自分の意志を曲げようとしないし、その実現のためには簡単にあきらめない。
無理も無い。
一日の大半は、家の中に閉じ込められているか、犬小屋の鎖に繋がれているかなのだ。
だから、大好きな散歩の途中で、自己を主張するぐらいの意思表示があっても良いではないか。
と言う事。
リリーは、そういう顔をして、暖かい陽気の中に座り込んで、じっとしたまま動かない。
まるで、公園の樹木のよう。
公園の樹木は、人間に対して寛容である。
何をされても文句を言わない。
その寛容さを見習え、とリリーが言っているようだ。
ちょっとぐらい私の自由にさせていいでしょう、とそっぽを向いている。
犬と付き合うには寛容さが重要だ。
私は、リリーに引っ張られながら雪の中へ。