2008/08/14

今別海岸のカモメの群れと子犬

今別海岸のカモメの乱舞。
カモメの大群が怖い子犬。
用事があって津軽半島の端にある今別町へ行った。
ついでにリリーを連れて今別海岸へ散歩に出かけた。
リリーは、浜へザザッと打ち寄せる波が恐いらしい。
波が来ると、あわてた顔をして5メートルぐらい後ずさってしまう。

海沿いの原っぱで遊ばせると、頭上を乱舞するカモメの群れが恐いらしくて、落ち着かない。
こんなに鳥がいっぱいいるなんて、リリーにとっては初めての光景なのに、リリーは空に目を向けずに、終始うつむいてばかり。
時々の上目遣いは、恐怖心に打ち負かされそうな、か弱い好奇心の弱々しい視線のようだ。
街では雀が近くにいると飛びかかっていくのに、この大量のカモメでは意気も消沈。

いつもの、変に生意気な表情は消えて、顔つきも目つきも不安げな子犬のものにもどっている。
クルマのドアを開けてやると、急いでシートに飛び乗って、ハァハァしていた。


近くに今別川の河川敷公園があったので、そこで散歩再開。
河原に降りると、泳ぐというよりも、風呂につかる感じで肩を落として、老犬のようにヤレヤレしている。
今日は昨日と違って、曇天の小雨模様。
リリーの気持ちも曇りがちだ。

不安な子犬にもどったり老犬のように沈み込んだり、リリーの意識のなかでは、初めて見る外界のオブジェが渦をまいているんじゃないだろか。
ヒトが子どもの頃、そうだったように、ね。
今別海岸のカモメの群れは、子犬にとって異境の世界をのぞき込んだ気分だったのだろう。