陽光が強くなって、影もくっきり。 |
これから春の盛りが始まる。
芽が出て花が咲く季節だ。
4月に入って、心無しか、青空が濃くなったような気がする。
もう冬ではない、春の青空だ。
犬の気分もうきうき。
自然が勢いづくと、犬も勢いづく。
あっちに向かったり、こっちに戻ったりで、散歩の方角が定まらない。
やっと公園にたどり着いた。
公園の中をうろうろ歩き回ったかと思うと、ペタンと座り込んでじっとしている。
歩くことを促しても、動き出そうとしない。
只今思案中といったご様子。
何かの出現を待っているようでもある。
春になってリリーの脳に何かが起こっている、ような・・・。
リリーの頭の中は、インスピレーションを待っているのか。
「犬の散歩は創作だ。」とでも思っているのか。
と、カラスがどこからともなく現われて、公園の柵に止まってくつろいだ。
そのカラスを一瞥して、リリーは、すたこら歩き出した。
そうだ、今日はエイプリルフールだ。
カラスに騙されてはいけない。
そう思ったようなリリーの顔つき。
得意の待ちポーズ。 |
青空の下、カラスもくつろぐ。 |