Rain-cover sheet
雨除けシート
そろそろ梅雨も近そうなので、雨対策として鉄冊の上にブルーシートを張った。が、リリーはちっともうれしそうではない。
そもそも、この鉄冊が嫌いなのだからね。
この鉄冊は、リリーが凶暴だから廻らせているわけではない。
その逆と言うか、リリーがあまりにも人なつっこ過ぎるから、鉄冊が無いと訪問者はリリーに抱きつかれて舐められてヨダレだらけになってしまうからなのだ。
しかし、その人好き加減は、犬の苦手な人にとっては、かなり強烈で暴力的とも言えるレベルなので、自ずと凶暴除けの鉄柵にもなっているのかも知れない。
鉄冊はリリーのヨダレを防ぎ、その上のシートは梅雨時のジトジト雨を防ぐ。
リリーは、雨からは守られつつも、ヨダレの矛先を塞がれてしまったと言うことなんだな。
青色は気分を沈着冷静にする効果があるとか。
ブルーの雨除けシートは、リリーの興奮除けにもなってくれると良いけれどね。
梅雨時は有害なカビの発生が心配だが、ここはけっこう風通しが良いから、まあ大丈夫かな。
奥の小屋も隙間だらけで、空気の流通は割と良好。
リリーはあんまり入りたがらないけど。
これで梅雨対策はまあまあでしょう。
心配なのはリリー対策なんだけどね。
リリーが、この梅雨対策シートにイタズラしないかってこと。
場所によっては、リリーの口の届くところにシートの端っこがある。
今のところ、イタズラ可能な代物だってことにリリーはまだ気づいていない。
気づいてないから、対策は不要かというと、カラスガイでもホタテ貝でもなくオオマチガイ。
シートを見る目がイタズラ目になって光り初めているのです。
去年の梅雨時、リリーはまだ小さかったから、日中も家の中で過ごした。
だから、梅雨は初体験。
冬の雪の寒さは、リリーの立派な毛皮で防げるが、雨の冷たさは防げない。
雨は毛にしみ込んで、リリーの肌に直接触れる。
長時間雨に濡れていると、体温を奪われっぱなしで、危険なのだ。
可哀想ぶりっ子なリリーは、冷たくても、雨に濡れ続けてヒトの同情を引こうとする。
人なつっこい犬は、自然から身を守る孤独な作業が苦手だ。
頼りなくて愛らしい、これでリリーはご近所の人達から好かれている。
ま、演技派なのかも知れない。
とすれば、梅雨もリリーの演出の小道具になってしまうのかな。
その小道具で風邪をひいてしまったのだから、お間抜け様でした。