犬小屋の柱に顔を押し付ける。 |
その姿は可愛いものだが、同時に、痛くは無いのだろうかと心配もしてしまう。
顔が歪むほど、ぐいと押し付けているのだ。
カバンとかソファーの肘掛けとかは、まだ柔らかくていいのだが、柱の角とかブロックは固くて痛そうである。
痛くは無いどころから、気持ちが落ち着くからそうしているのではあるまいか。
なにか物に顔を押し付けていると、何となく気持ちが落ち着く、何となく寂しい気が紛れる、ということがあるかも知れない。
犬の何となくが、ヒトにもなんとなくわかるような気がする。
犬とは永遠の子どもなのだ。
ヒトの子どもが、枕や布団や親の背中に顔を押し付けて眠ることがあるように、犬もそうしている。
甘えん坊の犬は、自身の親に顔を押し付けているまねごとをしているのかも知れない。
そういえば、物に顔を押し付けて眠る犬の表情は、妙に子犬っぽい。
ヒトに甘えても、なかなか適えられないことを犬は知っていて、物に顔を押し付けて眠っているのだろう。
これも、欲求不満のサインかも知れない。