濃いピンク色のツツジの側で。 |
おしとやかなリリーに、ピンクの花がよく似合う。
だがリリーは、花を観賞することもなくうつむいてばかり。
何か落ちていないか探しているのだ。
おしとやかだが、食いしん坊でもある。
いったいリリーは、キリシマツツジの花が咲いているのに気がついているのだろうか。
花に鼻を向けて、ツツジの甘い香りを嗅ぎもしない。
私は子どもの頃、ツツジの花の甘い蜜を吸って遊んだものだが。
犬の鼻は、犬にとって急所。
花に鼻を向けて、蜂に襲われたことでもあったのか。
リリーは花の方に目を向けない。
そういえば、チューリップが咲いてていたときも、リリーはチューリップの花に近づかなかった。
チューリップは、犬にとっては危険な植物である。
そのことをリリーは知ってか知らずか・・・・。
これは、ユリ科の植物全般に言えること。
チューリップの全ての部位が危険であるが、特に球根は毒性が強い。
犬が少量を口にしただけで、腎臓障害・視覚障害・全身まひの症状が出るという。
犬にとって危険な食べ物で、犬に絶対与えてはいけない玉ねぎも、チューリップ同様ユリ科の植物である。
きれいな花には毒がある。
リリーは、すべての花に対して、そう思っているのかもしれない。
ところで、キリシマツツジに毒は無い。
ツツジのなかで毒があるのはレンゲツツジだけ。
レンゲツツジの毒は、神経に作用する「けいれん毒」。
ところがリリーには、キリシマツツジとレンゲツツジの見分けがつかない。
「危うきには近寄らず。」
リリーの慎重さゆえの行動かもしれない。
キリシマツツジは、今が満開。 |
ピンクのツツジに囲まれて。 |
花をバックに横顔。 |