2016/08/04

暑い日に、家の中でフローリングに貼りつく犬

階段の下のフローリング。
青森市は7月の後半あたりから本格的な夏の気候になった。
それまでは、「ヤマセ型低温気候」が続いていた。
朝晩は冷涼で日中もそんなに気温が上がらない。
暑がりのリリーにとっては快適な夏だったのだ。

それが8月に入って、「青森ねぶた祭」が始まってからは、最高気温が30℃以上の日々が続いている。
祭りが始まってからは、ピーカンの晴天続き。
クーラーの無い家で暮らしているリリーは、大弱り。
涼しい場所を探して家の中をウロウロするが、この家に涼しい場所なんかあるわけがない。
そのことに気づいてか気づかないでか、この頃リリーはあまりうろつかなくなった。

顎もお腹もペッタリ密着。
フローリングの床にべったり体を押し付けて、じっとして動かない。
これが、リリーの結論。
この家でできる暑さ対策の方法なのである。
フローリングの表面は、比較的にヒンヤリしていて気持ちがいい。
そこに腹這いになって、じっと動かずに体温の上昇を抑える。

しばらくすると、板の表面がリリーの体温で温まる。
するとリリーは別の場所に静かに移動。
音もなく動くので、家の者は、リリーが突然消えたのかと思ってヒヤッとする。
一石二鳥。

階段の下から、仕事部屋の床へ。
そこでまたじっとする。
模擬仮死状態。
模擬夏眠。
貧乏な家で飼われていると、犬は爬虫類になっちまうんだ。

「私は赤道直下の爬虫類よ」と、リリーの自己暗示の呪文が聞こえそうだ。
そうなのだ。
賢くなったじゃないか、リリー君。
貧乏は、知恵があればのり切れるものなんだ。
時としてね。
場合によってはね。

リリーは、フローリングの上で悲しい表情をして、じっと動かない。

冷たい板が気持ちいい。

作業台の下に移動。

じっと動かないのが犬の避暑方法。