犬は夜になると、どうして玄関のタイルの上で寝転ぶのだろうか?

いつの間にか玄関で寝ている。
この頃リリーは、夜になると玄関にいることが多い。
玄関のタイルの上で寝転んでいるのだ。
そこで眠るわけでもない。
横たわって、目を開けている。

玄関で寝転んでいるリリーに私たちが気がついて、彼女に近づくと、リリーもこっちの様子をうかがっている。
「自分に何かをしてくれるのだろうか?」とでも思っているみたいに。
犬は、いつも私たちに「世話」を求める。
それがヒトに対する犬の「会話」なのかもしれない。
「世話」と「会話」。
どちらも「話」という字があるでしょう。
そう、犬はコトバをしゃべらないが、とっても話し好きなのだ。

眠っているわけではない。
暑い真夏なら、犬が冷たいタイルを求めるのはわかるのだが。
夏になったとはいえ、青森は冷涼だ。
まして夜になると、ストーブがほしくなるほど寒くなる。
暑さが苦手な犬にとっては、快適な気候であるはず。
なのにどうして、タイル敷きの玄関で寝そべるのか。

私たちは、夜にテレビを見ていることが多い。
老齢だから、けっこう音量を上げて、テレビを見ている。
アメリカのサスペンス映画なんかをね。

犬にとっては、その音がうるさいのかもしれない。
連続して切れることのない、テレビの大音量。
犬は、その音から避難して玄関へ。
玄関のドアへ背中を押し付け、頭を居間の方へ向けている。

ドアの向こうは外の世界。
そうか。
犬は、私たちを外の世界へ誘っているのか。
それで玄関にいるのだね。
「テレビばっかり見ていないで、夜の闇でも眺めたら」と言っているのかもしれない。

闇のなかに道があって、木が立っていて、草むらがあって。
犬は、夕方散歩した公園の風景に思いをよせている。
公園の向こうに、大通り。
それを渡ってしばらく歩くと、もうひとつ大きな公園がある。

犬は、玄関のドアに背中を押し付けて、夜中の散歩コースをイメージしている。
私たちの方へ目をやりながら・・・・。
犬は絵を描かないけれども、想像力はとても豊かだ。

私たちが、何かの用事で玄関の前を通ると、「えっ、公園へ行くの?」とリリーは目をあげる。
その期待はいつも外れるのだが、犬は期待に胸をふくらませる動物。
だから、期待を持ち続けるために、夜になるとリリーは玄関のタイルの上で寝転ぶ。

横になりながら、こちらの様子をうかがっている。

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