大きい雪片が降っている。 |
春の雪は湿っていて重い。
そういう雪が、ここ二三日降り続いている。
2月はあんまり降らなかったのに、春になったら、雪がどんどん降り出した。
ヒトは雪片付けで大変。
重い雪を片付けるのは、骨のおれる仕事。
リリーは、どんな雪であろうと、ノープロブレム。
面倒がらずに散歩に出かける。
背中に雪をかぶっていても、ブルッと体を震わせて雪をはらわない。
雪を引っ付けたまま、散歩を続けている。
犬は、背中の雪よりも、周囲の匂いが気になるらしい。
雪藪のなかに、顔ごと鼻を突っ込んで、じっと匂いをかいでいる。
この辺は、野良猫の散歩コースにもなっている。
あちらこちらに、気になる匂いがあるようだ。
気温が高めなので、鼻がききやすいのか、一心に匂いを嗅ぎあるく。
匂い嗅ぎは、犬の散歩の重要な目的。
リリーの頭の中は、町内の犬猫の動静を把握しようとめまぐるしく回転している。
春の雪は、リリーの散歩中降りしきっていた。
雪の中を歩く犬は白い海を泳いでいるように見える。
雪は、もともと水であることが、犬にはわかっているのだろうか。
水が蒸発して、空に上って雪になる。
案外リリーは、空の匂いを嗅いでいるのかも知れない。
春の湿った雪の中を散歩。 |
粘着性の雪があちこちに付着。 |
雪のなかに鼻を突っ込んで匂いをかぐ。 |