2014/03/11

春の雪をかぶった犬

大きい雪片が降っている。
もう3月も中旬だというのに、朝から雪降り。

春の雪は湿っていて重い。

そういう雪が、ここ二三日降り続いている。

2月はあんまり降らなかったのに、春になったら、雪がどんどん降り出した。

ヒトは雪片付けで大変。

重い雪を片付けるのは、骨のおれる仕事。

リリーは、どんな雪であろうと、ノープロブレム。

面倒がらずに散歩に出かける。


背中に雪をかぶっていても、ブルッと体を震わせて雪をはらわない。

雪を引っ付けたまま、散歩を続けている。

犬は、背中の雪よりも、周囲の匂いが気になるらしい。

雪藪のなかに、顔ごと鼻を突っ込んで、じっと匂いをかいでいる。

この辺は、野良猫の散歩コースにもなっている。

あちらこちらに、気になる匂いがあるようだ。

気温が高めなので、鼻がききやすいのか、一心に匂いを嗅ぎあるく。

匂い嗅ぎは、犬の散歩の重要な目的。

リリーの頭の中は、町内の犬猫の動静を把握しようとめまぐるしく回転している。


春の雪は、リリーの散歩中降りしきっていた。

雪の中を歩く犬は白い海を泳いでいるように見える。

雪は、もともと水であることが、犬にはわかっているのだろうか。

水が蒸発して、空に上って雪になる。

案外リリーは、空の匂いを嗅いでいるのかも知れない。


春の湿った雪の中を散歩。

粘着性の雪があちこちに付着。

雪のなかに鼻を突っ込んで匂いをかぐ。