目の表情が豊かだということもあるが・・・・・。
よく見ると、どこか似ている。
かつて出会った人達の、様々な眼差し、顔つき。
その人達が、じっと見つめているような視線。
「ひさしぶりだね、どうしてる」
「なつかしいね、何年ぶりかしら」
「元気そうじゃないか」
晴れた空から、かつて聞き慣れた声が降り注ぐ。
犬の顔は、ヒト以上にヒトらしい、という言い方は変かな。
ヒトは表情をつくれるが、犬はつくれない。
気持ちが直に顔に出る。
気持ちって、こうも揺れ動くもんなんだな。
犬の顔を見て、ヒトの気持ちのことを思い起こす。
風に揺れる桔梗の花。
うつむいて、物静かだ。
犬も、うそ泣きするらしい。
そう本に書いてあった。
それはヒトの解釈。
犬にとっては、うそのようでうそでない。
うそもホントもないのですワン。
みんな、ありのままなのですワン。
ヒトなつっこいのもありのまま。
わがままなのもありのまま。
与えられた生活ではあるけれど、ありのまま生きる。
それが犬の生き方。