リリーは、今日もまた山へ来た。
雲ひとつ無い晴天で、絶好のハイキング日和。
残雪の山が好きな犬にとっては、最高に嬉しい山歩きとなった。
谷を見下ろしているリリー。 |
今日のハイキングの終点の尾根の上で、リリーはじっと谷の方を眺めていた。
鼻をヒクヒクさせていた訳ではないから、谷の方から上がって来る匂いに気を取られているようでもない。
そういえば、眼下に広がる山並みを見下ろすのは、リリーは初めてであったかも知れない。
リリーはいろいろ山を歩いて、いろんな風景を見てきたが、こんなふうな森と尾根と谷で構成された景色を眺めるのは初めてだったようだ。
山に登るのも、遠くを眺めるのも好きな犬であるから、この大満足の時を楽しんでいるのでしょう。
小さめのタッパだったので、物足りなかったかも知れない。
体力が付いたのだろうか。
丹念に前脚を舐め続ける。
人間なら疲れた筋肉を手で揉むのだが、犬にはそれが出来ないので、舌でマッサージしているのかも知れない。