残雪の上の落ち葉の匂いを嗅いでいるリリー。 |
散歩でよく行く公園には、カツラの木が多い。
リリーはそのカツラの落ち葉を嗅ぎ回っている。
カツラの枯れ葉は、独特の甘い香りを放つ。
去年の秋に、散ったばかりの乾いた枯れ葉が、割と強い香りを放っていた。
それが今は、雪に埋もれて湿った状態なので、カツラの枯れ葉の甘い香りは、私では解らない。
ヒトよりもはるかに優れた臭覚を持っている犬には、それが充分解るのだろう。
リリーは一心に、雪の上の落ち葉の匂いを嗅ぎ回っている。
落ち葉の甘い香りを楽しんでいる。
枯れ葉と残雪のミックス臭を楽しんでいるのかもしれない。
楽しんでいるのか、あるいは情報収集しているのか。
リリーの頭の中の「匂いコレクション」を再整理しながら、膨大な情報システムの構築に忙しいのだろう。
夢中になっているリリーの顔つきは、何やら思慮深げである。
落ち葉の甘い匂いを嗅ぎ回る事で、犬は情報収集を楽しんでいるのだ。
楽しく無ければ生活ではない、というのが犬の生き方かも知れない。