朝の青空散歩は楽しいな。 |
なんだ、またいつものコースか、かったるい。 |
あれ?なんか匂うぞ。 |
むむ、前方に嫌な予感。 |
やっぱり、ブチ猫野郎だ。 |
やい、ブチ猫、こっちへ来るなよ。 |
貫禄のブチ猫。左パンチの用意も周到。 |
久しぶりに気分の良い朝の散歩を期待したリリーだったが。
いつものコースで、苦手なブチ猫と出くわす。
リリーは、ただ吠えるだけだが、ブチ猫は手が早い。
左の高速パンチは相当なもの。
その一発を鼻の頭にくらって、タジタジになった経緯がある。
ブチ猫との初対面の時、リリーがちょっかいを出そうとしたところ、軽くノックアウトされたのだ。
以来ブチ猫は、リリーにとって厄介な相手となった。
なるべくなら出会いたくない。
だが、出くわしてしまったら、吠えるしかない。
リリーは、体はでかいが気が弱い犬。
遠巻きに吠えて、コソコソ逃げてかわす。
ブチ猫は悠然と左を構える。
リリーの吠え声も、ブチ猫のゲンコツを見せつけられて弱々しくなる。
後ろを振り返り振り返り、早足でその場を立ち去ったのだった。