2015/01/06

雪だるまのそばを離れない犬

公園の雪だるま。
雪だるまを意識しているのか、いないのか。
横目で雪だるまを見ている。
また、遠くを見る。
今度は向きを変えて。
雪だるまは、じっとリリーを見ている。
雪だるまに接近するリリー。
落ちていた雪だるまの腕をかじる。
朝から気温が高めで、公園の雪がビショビショ雪になりつつある。

ビショビショ雪とは、暖かくなった春先によく見かける雪。
粒子が粗くて、水分を多く含んだ雪質。
シャーベットになる手前の雪。

そんな雪の中をリリーと進むと、リリーが雪だるま発見。
気になるのか、近づいて、あたりをウロウロ。
雪だるまのそばを、なかなか離れない。

雪だるまの顔はアンパンマンそっくり。
そのアンパンマン雪だるまを横目で眺めたり。
おまえなんか知らないやい、とそっぽを向いたり。

恐がりなリリーは、距離をおいて雪だるまを観察しているつもりらしい。

こいつと遊んで、いいものだろうか、とか。
いつになったら動き出すんだろう、とか。
興味はあるらしいが、おっかなびっくり。

そんなこんな、しばらくしていたら、急接近。
抜けていた雪だるまの、枯れ枝の腕をひょいと口にくわえた。

口で枝を振り回したり、かじったり。
雪だるまのそばで踊り狂っている。

なるほど、これがやりたかったのか。
リリーは、この枝をねらって、雪だるまのそばを離れなかったのだ。
アンパンマンの雪だるまは、ただじっとして微笑むばかり。