2012/06/21

空っぽの犬小屋

犬が留守の犬小屋。
家の近くに用事があったので、立ち寄って、犬小屋を覗いたら空っぽだった。

小雨模様だったので、リリーは犬小屋の中へ入って、行儀よくしているのだろうと想像して来たのだが、犬は留守。

今日は夏至で、だんだん晴れ上がって気温が上がるという天気予報だ。

家の者が犬好きの親戚の家にでも、リリーを連れていったのだろう。

「空っぽの犬小屋匂う夏至の雨」
広瀬孝子という人の句である。
以前何かで読んで、良い句だなと思っていたのが、思い浮かんだ。
犬の存在感が、寂しさとともに強く匂う句だと思う。
ヒトの暮らしや犬の生活が、夏至という「宇宙観」にすーっと届いていくのを感じた。
「空っぽ」という言葉には、脱力感と荒涼感が満ちている。
いなくなった犬の、日常やその動く姿が、じわっと伝わってくるようだ。

もちろん、リリーはいなくなった犬では無く、戻ってくる犬だから、リリーの空っぽの犬小屋に対して、上の句のような感慨は湧かないのだが・・・。
予想外の、空っぽの犬小屋の空虚さに、上の句が思い浮かんだのだ。

俳句は、わずかな言葉で、日々の暮らしと大自然を結びつけてしまう。
そして、俳句に触れる者に、大自然の奥の宇宙の存在を感じさせる。

「空っぽの犬小屋匂う夏至の雨」
俳句に季語があるのは、俳句を作る者は常に宇宙を意識しなければならないということなのか・・・。
などと、空っぽの犬小屋を眺めながら、柄にも無く、空想が弾んでしまった。

空っぽの犬小屋。

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