道路寄りで寝ている。 |
今日は、まだ向かいの住宅建築の工事が始まっていないので、のんびりとくつろいでいるのだ。
時々、風で運ばれてくるような話し声や小さな 物音が道路の向こうから聞こえてくると、頭を上げて様子をうかがったりしている。
また建築現場の重機が動き出すと、怖がって、家の壁にぴったり寄り添って吠えるのだろう。
これは本当かどうか知らないが、オオカミは縦に長いものを怖がると聞いたことがある。
もしこれが本当なら、犬もそうなのだろう。
本当にそうかも知れない。
向かいの工事現場で、一番リリーが怖がっているのが、ユニックのクレーンのようであるからだ。
ユニック車のクレーンのアームが垂直に持ち上がって、左右に動く様はリリーにとっては、ちょっとした恐怖なのだ。
もし、目前でクレーンがググッと直立したら、リリーは震え出すかも知れない。
何かの物音に頭をあげる。 |
何だ? |
朝は、通勤する多くの通行人が家の前を通る。
その中には、「可愛いね」と言って、リリーを撫でていく人もいるからだ。
「縦に長いもの」が動き出すまでの、リリーのしばしの安息だ。
工事はまだ始まらない。今日は休みかな。 |
誰か来ないかな。 |