ガムを噛むリリー。 |
この頃のリリーは、早寝早起きのいい子になっている。
陽気がだんだん暑くなってきているので、犬は夏に向けて体力を維持しようとでも思っているのだろうか。
リリーは体重が重いので、足音も大きい。
リリーが朝早く目を覚ますと、家の者は、リリーの足音で目を覚ますのです。
サラミ巻きガムを噛み終わったら、後は休むだけのリリーです。
風通しの良い場所で、コンクリートブロックに顎をのせて、休んでいます。
こういう「お休みモード」の姿勢をとることが多くなりました。
「お休みモード」のときの顔の表情は、いつものように、目の辺りが物思いに耽っているような感じです。
遠くを眺めているような、虚ろな目ですね。
リリーの目ほど、諦観に満ちた目を見たことがありません。
諦観と言うほど、あきらめ悟っているわりには、リリーは超然としていませんが・・・。
いよいよ、犬小屋に初夏がやってきたのです。
リリーの苦手な盛夏に比べたら、まだ、ほんの序の口。
苦手な夏ではあるけれど、犬は楽しく生きていかなければいけない。
山歩きに、水泳に、アイスクリームに、スイカに・・・・・。
と文字をならべても、犬は思念の中では生きていけません。
木陰の多い山とか、きれいな水の流れる川とか、現実にその場にいないと、リリーの目は輝きません。